英語の成績が伸びない人には明らかな特徴が2つあります。これは長年予備校で指導をしてきた経験から、ほぼ例外がありません。
一つは、「毎日勉強しない人」。そしてもう一つは、「発音や音読をおろそかにする人」です。
【 毎日勉強しない人について 】
まず、「毎日勉強しない人」について述べます。
たとえば、数学や理科や社会は「学問」ですが、英語は学問ではなくただの「言葉」です。「学問」は少しくらい休んでも力は落ちませんが、「言葉」は毎日使わなければ上達しないのです。この当たり前のことをよく理解していない人は英語の成績が上がらないのです。「毎日勉強」というと何をどうすればよいかと思うかも知れませんが、難しいことではありません。学校や塾の教材の予習・復習を毎日すればよいし、あるいは、当サイトが提供する「高校入試英語教材」を毎日学習するだけのことです。それ以外に特別なことをする必要はないし、そのような時間もないでしょう。
「でも、英語を毎日勉強していたら、他の科目に手が回らないんじゃないか」と思われるかも知れませんが、心配ご無用。一日の中での英語の勉強時間を他の科目よりも少なくすればよいだけです。
たとえば、学校の教科書20ページ分を4日間で復習しようとする場合、Aさんは次のようなスケジュールにしました。
1日目…0ページ分を復習(所要時間0分)
2日目…0ページ分を復習(所要時間0分)
3日目…10ページ分を復習(所要時間60分)
4日目…10ページ分を復習(所要時間60分)
それに対して、Bさん次のようなスケジュールにしました。
1日目…5ページ分を復習(所要時間30分)
2日目…5ページ分を復習(所要時間30分)
3日目…5ページ分を復習(所要時間30分)
4日目…5ページ分を復習(所要時間30分)
さて、AさんとBさんでは、どちらが力がつくと思いますか。答えはBさんなのです。たしかに、AさんもBさんもどちらも4日間で合計2時間英語の勉強をしていますが、Aさんは2日しか英語に触れていないのに対して、Bさんは4日とも毎日英語に触れています。これが力の差になってくるわけです。
つまり、英語の勉強で大切なことは、短時間でもよいから、その代わりお休みの日を絶対に入れないことなのです。
【 発音や音読をおろそかにする人について 】
次に、「発音や音読をおろそかにする人」について述べます。
たとえば、「腹減った。」という日本語で、最後の「た」を「な」に変えるとどうなりますか。「腹へっな。」となるわけですが、文法とか理屈以前に、聞いた瞬間に音ととしておかしいと気づきますよね。
英語も同じことです。
He plays tennis. という文を読むと、ヒー プレイズ テニス ですよね。もしも三単現のsを抜かすと、He play tennis. となり、これを読むと、ヒー プレイ テニスとなって、ふだんから正しい発音を身につけ、音読をきちんやっている人なら、文法とか理屈以前に、聞いた瞬間に音ととしておかしいと気づくはずなのです。なので、そのような人なら筆記試験のときでも、He play tennis. などと誤って書くことは絶対にあり得ないのです。
また、「劇場」という意味の theater を誤ってsheater と書いてしまう人が時々いますが、これも同じことです。英単語の中の "th" は舌をかんで発音するので、ふだんからそれをきちんと実行している人なら、こんな綴り間違いは絶対にしないはずなのです。
それゆえ、英語を勉強するときは、まず正しい発音を身につけ、音読をきちんとやることが不可欠なのです。正しい発音は辞書に発音記号が出ているので、それをきちんと確認してください(発音記号については 発音記号をマスターしよう! で詳しく解説しました)そして、音読については、わざわざそのための時間をとる必要はありません。学校や塾や当サイトが提供している「高校入試英語教材」をふだん学習するときに、ついでに声を出しながら進めていくだけのことです。声も出さずに勉強して英語が得意になった人は人類の歴史上一人もいません。なので、英語の勉強はくれぐれも図書館ではやらないでください。