a(n) と the の違いは、英語を勉強しはじめて最初につまづくテーマです。このブログではサルでも理解できるようにわかりやすく説明しています。
まず、両者の違いをザックリと説明すると、
a(n)・・・はじめて話題に登場する一つのもの[一人の人]につける
the・・・特定のもの[人]につける
ここで、特定とは、他のもの[人]と区別してそれだけを特別に意識することで、たとえば、「本」という場合、世界中に無数に存在する本の中で、具体的にどの本のことを念頭に置いているのか、話し手も聞き手も双方がそれを共通認識できている状態をいいます。たとえば、
I bought a book yesterday. The book is very interesting. (私は昨日本を買った。その本はとてもおもしろい。)
上記前文の a book は、はじめて話題に登場する一つのものなので a がついているが、後文の The book は、世界中に無数に存在する本の中で、直前に述べた「昨日私が買った本」だけを念頭に置いており、そのことを話し手も聞き手も双方が共通認識できているので、the がついているわけです。
上記の例のように、既に話題に登場済みのものを再び話題にするときに、よく特定が生じます。次の例でそれを確認しましょう。
ただし、同じ単語が2度以上繰り返されても、必ずしも2度目以降に the がつくわけではありません。
I bought a book yesterday. I bought a book today, too. (私は昨日本を買った。今日も本を買った。)
上記2つの book は同一の物ではなく別の物なので、どちらもはじめて話題に登場する1つのものと考えて、the ではなく a をつけます。
逆に、はじめて話題に登場するものでも、具体的にどれを念頭に置いているか双方が共通認識できていれば、最初から the をつけます。
A : Pass me the dish. (お皿を取って。)
B: Here you are. (はい、どうぞ。)
上記のやり取りでは、具体的にどの皿を念頭に置いているかAさんもBさんもはじめから共通認識できているので、Aさんのセリフの「お皿」は最初から the dish になります。しかし、
A : I've broken a dish. (お皿を割っちゃったよ。)
B : Which one ? (どの皿?)
上記のやり取りでは、どの皿を念頭に置いているかAさんはもちろん認識しているが、Bさんはまだ認識していないので、Aさんのセリフの「お皿」は a dish になります。the をつけるときは、双方が共通認識しているときだけです。