another, the other, others, the others の使い分けを正しくできますか。大学入試でも頻出のテーマです。混乱している人でも簡単なルールさえきちんと理解すれば全然難しくありません。図解入りで解説しました。
【 other についての前提知識その1】
たとえば、dog(犬)という単語が dogのまま英文で登場することはまずありません。たいていは、① a dog ② the dog ③ dogs ④ the dogs などの形で使われます。それと同じように、other という単語も英文の中では、
① another ← an other が合体した単語
② the other
③ others
④ the others
のいずれかで使われます。
【 other についての前提知識その2】
other は、単独で「他のもの[人]」「別のもの [人]」という意味の代名詞の用法と、後ろに名詞を伴って、「他の~」「別の~」という形容詞の用法の2通りがあります。
このうち、後者の形容詞の用法のときはちょっと注意が必要です。
単数のときは、
another apple
the other apple
でよいのですが、複数のときは、
others apple ・・・ ×
other apples ・・・ ○
the others apple ・・・ ×
the other apples ・・・ ○
というふうに、複数形の s は、otherではなくその後ろの名詞だけにつきます。
さて、以下本題です。
【 ① another ( apple ) の使い方 】
上の画像は、りんごが5つあって、そのうち1つを食べてしまい、残りの4つの中から1つを選んで指しています。このように、「残りがいくつかあってそのうちの1つを指す」ときに使われるのが another ( apple ) です。
例文
店員 : How about this T-shirt ? (このTシャツはいかがですか。)
お客 : Hmm, it's a little flashy. Please show me another ( one ). (う~ん、少し派手かな。もう一つ別のを見せて。)
上記の例では、店にある残りのTシャツの何枚かの中から一つ選ぶので、another になります。
【 ② the other や the other apple の使い方 】
上の画像は、りんごが5つあって、そのうち4つを食べてしまい、残りの1つを指しています。このように、「残りが1つしかなくてその1つを指す」ときに使われるのが the other ( apple ) です。
例文
I have two brothers. One is a doctor, and the other ( brother ) is a teacher. (私には兄弟が2人います。一人は医者で、もう一人は教師です。)
上記の例のように、「2者のうち一方は~、他方は~」というときの「他方」は、残りが1つしかなくてその1つを指すので、必ず the other になります。
【 ③ others や other apples の使い方 】
上の画像は、りんごが5つあって、そのうち1つを食べてしまい、残りの4つの中から2つを選んで指しています。このように、「残りがいくつかあってそのうちのいくつかを指す」ときに使われるのが others [ other apples ] です。
例文
In our school, some ( students ) belong to the soccer team, and others [ other students ] belong to the baseball team. (私たちの学校には、サッカー部に所属する者もいれば、野球部に所属する者もいる。)
上記の例では、テニス部や文化部に所属する者もいるはずだから、「残りがいくつかあってそのうちのいくつかを指す」ので、others [ other students ] になります。
【 the others や the other apples の使い方 】
上の画像は、りんごが5つあって、そのうち1つを食べてしまい、残りの4つのすべてを指しています。このように、「残りがいくつかあってその全部を指す」ときに使われるのが the others [ the other apples ] です。
例文
Today, in our class, only ten students were at school, and the others [ the other students ] were absent from school. (今日、私たちのクラスでは、わずか10人の生徒が学校にいただけで、残りの生徒は全員学校を休んだ。)
上記の例では、「残りがいくつかあってその全部を指す」ので、the others [ the other students ] になります。
【 まとめ 】
以上の説明は、実は、がんばって覚えるほどのことではありません。
指すもの[人]が複数のとき → s がある
指すもの[人]が残りの全てであるとき → the がある
ルールはたったこれだけです。簡単でしょ。^ ^