その教材が本当に良いものかどうかを受験生が見極めるのはなかなか難しいでしょうね。しかし、これまでの私の経験から、一応の目安を教えちゃいます。
【 良い教材の目安 】
結論から言うと、「執筆者の職業」で決まると思います。
ぶっちゃけ言うと、一流大学の学者とか、若いころから英語が堪能な人が書いたものは、内容的にはもちろん正確で、興味深いものかもしれませんが、受験用教材としてはどうかな?という気がします。
それに対して、たとえば、高校や中学の先生とか、塾や予備校の講師が書いたものは、受験用教材としては比較的良い教材が多いような気がします。
その理由は極めて単純で、後者の人たちは、入試で何が問われ、受験生がどこでどのようにつまづくのかを知り尽くしているプロだからです。
【 良い教材の具体例その1 】
たとえば、高校入試用の英語の教材の場合、
I'm looking forward to seeing you tomorrow. (私は明日あなたに会うことを楽しみにしています。)
上記は入試頻出の英文ですが、黄色マーカー部分がなぜ ing 形になるのかを、その教材の中で次のようにきちんと説明しているかどうかが重要なんです。
直前の to は、不定詞の to ではなく、前置詞の to である。よって、
I'm looking forward to see you tomorrow. ・・・ ×
I'm looking forward to seeing you tomorrow. ・・・ ○
※ 前置詞の直後は、(代)名詞または動名詞 が置かれる。
上記のように、この場合、「to の後に動詞の原形を置いたらバツになっちゃうんだよ」ということを、教材の中で明確に表記していることが良い教材の条件です。
【 良い教材の具体例その2】
Collecting stamps is a lot of fun. (切手を集めることはとても楽しい。)
上記の英文では、stamps が複数形になっているので、その後の be動詞を are にしてしまう受験生が多いんです。そのことを知り尽くしている執筆者であれば、
主語(この場合 Collecting stamps の部分)が不定詞や動名詞のときは、三人称単数扱いにして、be動詞なら、is か was にする。
という具合に、教材中でポイントを明確に表記するはずです。
【 良い教材の具体例その3】
① What are you looking for ? (あなたは何をさがしていますか。)
② Where are you going ? (あなたはどこへ行くところですか。)
上記①では前置詞の for が最後に残っているのに、②ではなんで最後に前置詞の to が無いの?という話で、実はこれ、多くの受験生がつまづくところなんです。そのことを執筆者があらかじめ熟知していて、その理由をわかりやすく説明しているかどうかで、受験用教材としての良し悪しが決まるのだと思います。
ちなみに、上記①と②の違いについてきちんと説明している受験用教材は私の知る限りほとんどありませんが、当サイトが作成した「高校入試英語教材」「無料基本編」の第5講には詳しい解説があります。教材の入手方法 から自由にダウンロードできますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
【 まとめ 】
以上、このブログで私が言いたいことは、「餅は餅屋」つまり、「受験用教材は受験指導のプロが書いたものに限る」ということです。言い換えれば、パン屋が作った餅なんか食べてもおいしくない、ということです。