今回は所有格の関係代名詞について詳しく解説します。
【 所有格の関係代名詞の部品その1】
母親が病気である(その)少年
これまでと同様に、被修飾語 = 「(その)少年」をトップに出して、その後ろに( )を置いて少年を詳しく説明してやります。すると、
その少年(彼の母親は病気です。 )
上のようになりますが、今回のコツは、被修飾語 =「その少年」を「彼」「彼女」「それ」などの適当な代名詞に変えて( )内のトップに置き、それに「の」をつけて、その後に元の日本語のトップにあった言葉 =「母親」を置いて、これに「は」をつけてやることです。
そして、そのまま英語に直すと、
the boy ( His mother is sick. )
となります。上記の場合、先行詞の the boy と His がイコールの関係になるので、この His が関係代名詞のwhose に変身して( )を外すと、
the boy whose mother is sick
となって、これで完成です。
全体の流れをまとめると、
母親が病気である(その)少年
その少年(彼の母親は病気です。)
the boy ( His mother is sick. )
the boy whose mother is sick
となります。
ところで、この whose は所有格の関係代名詞と呼ばれますが、その理由は次の通りです。この whose は元々 His が変身したもので、この His は ( )内で所有語だったものです(関係代名詞をわかりやすく解説~PART1参照)。このように、所有語が変身した関係代名詞を所有格の関係代名詞といいます。
【 所有格の関係代名詞の部品その2】
耳の長い(一匹の)犬
一匹の犬(それの耳は長い。)
a dog ( Its ears are long.)
a dog whose ears are long
上のように、関係代名詞の whose は、先行詞が「人」でも「人以外」でも使えます。
【 所有格の関係代名詞の部品その3】
次は、ちょっと応用バージョンです。
私が父親をよく知っている(一人の)少年
一人の少年(私は彼の父親をよく知っている。)
a boy ( I know his father well.)
a boy I know whose father well
原則として関係代名詞は先行詞の直後に置くので場所移動が必要になります(関係代名詞をわかりやすく解説~PART3参照)。ただし、上記の場合は、whose father でまとめて先行詞の直後へ場所移動します。すると、
a boy whose father I know well
このように、「whose+名詞」 の部分はいつもワンセットで場所移動することを覚えておきましょう。
【 所有格の関係代名詞の完全英作文 】
(1)所有格の関係代名詞の部品その1を使って
母親が病気である(その)少年は忙しい。
[ 母親が病気である(その)少年 ]は忙しい。
[ The boy whose mother is sick ]is busy.
The boy whose mother is sick is busy.
(2)所有格の関係代名詞の部品その2を使って
私は耳の長い(一匹の)犬を飼っている。
私は[ 耳の長い(一匹の)犬 ]を飼っている。
I have[ a dog whose ears are long ].
I have a dog whose ears are long.
(3)所有格の関係代名詞の部品その3を使って
彼は私が父親をよく知っている(一人の)少年です。
彼は[ 私が父親をよく知っている(一人の)少年 ]です。
He is a [ a boy whose father I know well ].
He is a boy whose father I know well.
今回はここまでです。次回をお楽しみに。