たとえば、「その本は彼にとっておもしろい。」という場合、
① The book is interesting to him.
② The book is interesting for him.
と2通りの英作が可能ですが、①と②の違いは何か、というのが今回のテーマです。
【 そもそも to と for の違いは? 】
上記の①と②の違いを説明する前に、次の③と④の違いを先に理解しましょう。
③ He went to the park.(彼はその公園へ行きました。)
④ He left for the park. (彼はその公園へ向かいました。)
うん? 何が違うの?
という感じですね。(笑)
前置詞の to はよく「~へ」と訳されますが、これが③と④の違いをわからなくさせている原因なんです。前置詞の to は、厳密には「~まで」と理解するのが正しいのです。
つまり、
③ He went to the park.(彼はその公園まで行きました。)
④ He left for the park. (彼はその公園へ向かいました。)
これで両者の違いが明らかになってきましたね。
上記の③は、彼がその公園まで到着したことを表しているのに対して、④は、その公園へ向かったことだけを表現しており、到着したかどうか不明なのです。
つまり、
to = 到着
for = 向かう
という違いをまずしっかりおさえましょう。
【 で、ここから本題 】
① The book is interesting to him.
② The book is interesting for him.
①の場合、おもしろさがすでに彼に到着していることを表しており、②の場合、おもしろさが彼の方へ向かっていることだけを表しているのです。
つまり、
① The book is interesting to him. (彼はその本を読んでおもしろがっている。)
② The book is interesting for him. (その本を読めば彼はおもしろがるだろう。)
というニュアンスの違いになるわけです。