人生を大きく左右する高校受験。本格的な勉強や対策はいつから始めるべきなのかについて、長年の予備校講師経験に基づいてブログを書きました。
【 設問その1 】
あなたは、高校受験対策をいつから始めるのが一番よいと考えていますか。下のア~エの中から一つ選びなさい。
ア 中3の夏から
イ 中3の春から
ウ 中2の夏から
エ 中1の春から
【 正解 】
エ
理由は単純です。高校入試の問題は、中学3年間で学習した全範囲から出題されるからです。もしも、中学で学習するすべての範囲を、3年生の1年間だけできちんとマスターできるのなら、はじめから中学の期間は1年間に設定されいるはずです。中学が3年間あるのは、全学習範囲をマスターするのに普通の人間なら3年かかるということなんです。
それだけではありません。たとえば英語の場合、中1で学習するbe動詞や一般動詞、疑問詞を使った疑問文などの基本的な文法ルールが完全に身についていなければ、3年生で習う関係代名詞や間接疑問文などは全く理解できないわけで、3年生になってから頑張ったところで、もう手遅れなんです。
また、実際に入試問題を分析していても、半年や1年くらい真剣に勉強したくらいで解けるような生易しいものではありません。とくに難関私立高校などの入試問題では、教科書にも書かれていないような高校レベルの学習事項まで普通に出題されます。
もちろん、中3になってから慌てて塾へ駆け込む生徒さんもたくさんいますが、彼らの多くは実力がほとんどつかないまま入試を迎えるというのが、可哀そうですが現実です。中1の春から(中には小学から)バリバリに受験対策をしてきた筋金入りの受験生たちと戦って勝ち目がないのは当然です。塾や予備校の多くが「ぜひ1年生から当塾へ通ってください」と訴えているのは、決して金もうけだけが理由ではないのです。
ネット上の情報では、「多くの受験生は中3の夏ぐらいから真剣に対策に取り組み始めている」と出ていますが、その「多くの受験生」は有名高校ではなく無名高校へ進学していることに注意してください。また、有名高校の合格体験記によく「真剣に対策に取り組んだのは中3の夏ぐらいからです。」などと書かれることもありますが、眉唾物だと思った方がよいでしょう。少なくとも私のこれまでの教え子で有名高校へ進学できた生徒たちは、例外なく中1から(中には小学から)受験を意識した勉強を真剣にやっています。中2が終了するまで楽しく遊んで、中3からはじめて真剣に勉強をやり始めて有名高校へ合格できた生徒を、少なくとも私は一人も見たことがありません。
【 設問その2】
ジャマイカの陸上選手ウサイン・ボルトは、2009年の世界陸上ベルリン大会の男子100メートル走で9.58秒の世界記録を出して優勝し、未だにこの記録は破られていません。このウサイン・ボルト選手と私が100メートル走で勝負をしたら、どちらが勝つと思いますか?
【 正解 】
私
コツは簡単です。ボルトがスタートするその10秒前に私がスタートすればよいのです。
「そんなの反則じゃん」と思いますか?そうです、反則です、スポーツの世界ではね。でも、受験勉強の世界では、どんなに早くスタートしても反則ではないし、100メートル走と同様に、早くスタートした者が必ず勝ちます。中1からスタートした者と中3からスタートした者では勝負ははじめから決まっているのです。
「高校受験対策なんて中3からで大丈夫」というデタラメな情報に踊らされて後悔しないように、今すぐにスタートを切りましょう。