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長文問題対策・英文解釈特訓~第4回

まずは、設問を必ず自力で解いてください。その後で解説や正解を読むようにしてください。また、自分の解答を必ずノート等に実際に書いてください。さもないと実力が身につきませんのでご注意ください。 

【 設問 】

次の文章を和訳しなさい。

 

In a small village, there was a very old tree that everyone loved. One day, the villagers noticed that the tree was dying. All the leaves had fallen, and there were cracks in its trunk. The people tried to help the tree by giving it water and care. Sadly, they knew that the tree might not survive any longer.

 

注) cracks = ひび trunk = 幹

【 第1文の解釈 】

In a small village, there was a very old tree everyone loved.

 

that は、a very old tree を先行詞とする目的格の関係代名詞。つまり、a very old tree that everone loved = 「みんなが愛していたとても古い木」となります。

 

関係代名詞については、「有料実践編」の第22講で詳しく解説していますので、そちらを参照してください。また、関係代名詞の基本的な内容についてはブログでも全11回に分けて詳しく解説していますので、以下の各パートをクリックしても学習できます。

 

PART1  PART2  PART3  PART4  PART5  PART6  PART7  PART8  PART9  PART10  PART11

 

第1文をきちんと訳すと、「ある小さな村に、みんなに愛されているとても古い木があった。」となります。

【 第2文の解釈 】

One day, the villagers noticed that the tree was dying.

 

villagers = 村人たち

notice = 気づく

 

※that は接続詞でその後に完全文が置かれている。→ notice that ~完全文~ = 「~だと気づく」 

 

die(死ぬ), forget (忘れる), break (壊れる), sink (沈む), fall (倒れる)などのように、その出来事が発生と同時に終了してしまう(発生と終了の間に時間的間隔がない)動詞の進行形は、「~している」という通常の訳し方ではなく、「~しかけている」と訳して、その出来事への時間的接近を表します。

 

したがって、第2文を直訳すると「ある日、村人たちはその木が死にかけていると気づいた。」となり、きちんと訳すと、「ある日、その木が枯れかけていることに村人たちは気づいた。」となります。

【 第3文の解釈 】

All the leaves had fallen, and there were cracks in its trunk.

 

 leaves ← leaf(葉っぱ)の複数形

 

had fallen は過去完了形の「完了」の用法で「落ちてしまっていた」という意味。過去完了形については、「有料実践編」の P200~201 を参照してください。

 

第3文をきちんと訳すと、「葉っぱはすべて落ちてしまっていて、幹もひび割れしていた。」となります。

【 第4文の解釈 】

The people tried to help the tree by giving it water and care.

 

 by ~ing = ~することによって

 

care はこの場合、名詞で「世話」。つまり、give の第二目的語として、water と care が対等な関係で and で結ばれています。ただ、water との関係ではこの give は「与える」と訳せばよいが、care との関係ではこの give を「与える」と訳してしまうと「世話を与える」となってしまい、日本語としておかしいので、ここは訳し方に少し工夫が必要です。

 

第4文を直訳すると、「人々はその木に水を与えたり、世話を与えたりすることによってその木を助けようとした。」となりますが、きちんと訳すと、「村人たちは水を与えたり手入れをしたりして、その木を助けようとした。」となります。

【 第5文の解釈 】

Sadly, they knew that the tree might not survive any longer.

 

 Sadly = 「悲しいことに」

 

that は第2文で登場したものと同じ接続詞でその後が完全文となっています。主節の動詞が know の過去形の knew になっていることから、時制の一致 (詳細は「有料実践編」の第24講参照)により、may が might という過去形になっています。なお、この may は「~してもよい」ではなく「~かもしれない」の意味。

 

survive = 「生き残る」「生き延びる」

not ~ any loner = 「もうこれ以上~ない」(重要英熟語集~第5集参照)

 

第5文をきちんと訳すと、「悲しいことに、その木がもう長く持たないかもしれないと彼らは知っていた。」となります。

【 設問文の全訳 = 正解 】

ある小さな村に、みんなに愛されているとても古い木があった。ある日、その木が枯れかけていることに村人たちは気づいた。葉っぱはすべて落ちてしまっていて、幹はひび割れしていた。村人たちは水を与えたり手入れをしたりして、その木を助けようとした。悲しいことに、その木がもう長く持たないかもしれないと彼らは知っていた。