こういった問題がきちんと解けるかどうかで難関高校の入試の合否は決まります。ぜひチャレンジしてみてください。
【 設問 】
次の日本語を英語に直しなさい。
A : あなたたちはいつから話し合っているのですか。
B : 1時間前からです。

【 前提知識その1 ・・・「いつから」】
「3日前から」を英語に直すときに、
since three days ago とするのはまわりくどい表現として不適切です。
そこで「3日間」と考えて、
for three days とするのが適切です。
また、「ずっと以前から」を英語に直すときに、
since a long time ago とするのはまわりくどい表現として、これも不適切です。
そこで、「長い間」と考えて、
for a long time とするのが適切です。
同様に、「いつから」を英語に直すときに、
Since when ~ ? とするのはまわりくどい表現として、これも不適切です。
そこで、「どのくらい長く」と考えて、
How long ~ ? とするのが適切です。
上記の3パターンは入試定番の英作表現です。知識としてはじめから知っていないとどうにもなりません。ぜひ覚えちゃってください。
【 前提知識その2・・・動作動詞と状態動詞の違い 】
英語の動詞には、動作動詞と状態動詞があります。
動作動詞とは、簡単に言うと、自分の意思で簡単にコントロールできる動作を表す動詞です。たとえば、
study, play, swim, watch, dance run, などです。
それに対して、状態動詞とは、自分の意思で簡単にコントロールできない状態を表す動詞です。たとえば、
like, live, love, want, know, see, hear, などです。
そして、動作動詞は進行形にできるが、状態動詞は進行形にできないこともぜひ知っておきましょう。つまり、
I'm knowing the story. …×
I know the story. …○
(私はその物語を知っている。)
ということです。
【 前提知識その3・・・現在完了進行形 】
まずは、形を正確に覚えましょう。
have + been + ~ ing
です。ちょうど、現在完了形と進行形がミックスしたような形ですね。
I have been watching TV for an hour. (私は1時間ずっとテレビを見ている。)
これをどんなときに使用するのでしょうか?

上の画像を見ながら以下の説明を読んでください。
現在完了形には、「完了」「結果」「継続」「経験」の4つ用法がありますが、そのうち「完了」「結果」「経験」の3つについては常に普通の形、つまり、have + 過去分詞という形になります。
I have already finished my homework. …「完了」
(私はもう宿題を終えてしまった。)
He has gone to the station. …「結果」
(彼は駅へ行ってしまった。)
Have you ever seen the movie ? …「経験」
(あなたは今までにその映画を見たことがありますか。)
しかし、「継続」の用法のときだけは、使われる動詞が動作動詞と状態動詞で形が異なるのです。状態動詞のときは普通の形、つまり、have + 過去分詞でよいのですが、動作動詞のときは、have + been +~ing という現在完了進行形にします。
I have lived in Tokyo since 2010. (私は2010年以来ずっと東京に住んでいる。)
※ liveは状態動詞
I have been watching TV for an hour. (私は1時間ずっとテレビを見ている。)
※ watch は動作動詞
もちろん、形が異なるからといって訳し方や意味に何か違いが出るわけではなく、どちらも「継続」の用法なのだから「ずっと~している」でOKです。つまり、現在完了進行というのは、ちょうど三単現のSのようなものと理解すればよいのです。「三人称」「単数」「現在」という条件がそろったときは、play が plays になるわけですが、だからと言って別に意味が変わるわけではないですよね。それと同じです。現在完了形においては「継続」「動作」という条件がそろったら特別な形になるよ、というただそれだけのことです。
ただし、上の画像にもあるように、「継続」かつ「動作」のときでも普通の形、つまり、have + 過去分詞 で表す場合もあります。
たとえば、上の例のように「1時間ずっとテレビを見ている」という場合は、動作が完全に連続しているので、このような場合には、have + been +~ing という現在完了進行形にします。ところが、「10年間ずっと英語を勉強している」のように動作が完全に連続しているわけではなく、間隔を空けて断続的に発生しているような場合には、普通の形、つまり、have + 過去分詞 で表すのが一般的です。
I have studied English for ten years. (私は10年間ずっと英語を勉強している。)
※上の例は「継続」かつ「動作」かつ「断続」
状態動詞は、そもそも進行形にできない動詞だから、現在完了進行形になることもありません。
I have lived in Tokyo since 2010. (私は2010年以来ずっと東京に住んでいる。)
※上の例は「継続」かつ「状態」
結局、上の画像にもあるように、「継続」かつ「動作」かつ「連続」のときに have + been +~ing という現在完了進行形が登場するということです。
覚え方は、
ケイドウレン → 現在完了進行形
【 前提知識その4・・・ each other について 】
each other は「お互いに」という副詞ではなく、「お互い」という代名詞です。代名詞といえば典型例として him がありますが、この him と同じような使い方をしなければいけません。つまり、
We talked him. …×
We talked with him. …○
We talked each other. …×
We talked with each other. …○
ということです。
【 設問の解説 】
それではいよいよ設問をみていきましょう。
次の日本語を英語に直しなさい。
A : あなたたちはいつから話し合っているのですか。
B : 1時間前からです。
まず、Aさんのセリフは「あなたたちはどのくらい長くお互いと話していますか。」と考えます。Bさんのセリフから判断してもケイドウレンの条件を満たすと考えられるので、現在完了進行形になります。結局、
How long have you been talking with each other ?
が正解です。talk と each other の間に前置詞の with を忘れないように。
Bさんのセリフについては「1時間」と考えて、
For an hour.
が正解です。
いかがでしたでしょうか。今回は、入試でよく問われる英文法の重要知識が盛りだくさんの良問です。しっかり復習しておいてください。