前回の記事に続いて、今回も現在完了形の重要問題を作成しましたので、ぜひチャレンジしてみてください。
【 設問 】
次の日本語を英語に直しなさい。
あなたは今までに何度海外へ行ったことがありますか。

【 前提知識その1・・・ever について 】
ever は「今までに」という意味の副詞ですが、相手に「経験」の有無を尋ねるときは、たとえ日本語に「今までに」と書いてなくても、原則として ever を使うのが一般的で入試でもその方が無難です。その理由は、ever を用いることによって、「完了」や「継続」など現在完了形の他の用法と明確に区別ができるからです。
Have you ever seen the movie ?
(あなたはその映画を観たことがありますか。)
ただし、How often [ many times ] で始まる文のときは、逆に、たとえ日本語に「今までに」と書いてあっても ever は使用できません。
How often [ many times ] have you ever seen the movie
?
(あなたは今までに何度その英語を観たことがありますか。)
その理由は、諸説ありますが、ever はあくまでも経験の「有無」を尋ねるのに対して、How often [ many times ] は経験の「回数や頻度」を尋ねるものであるため、両者は併用になじまない、とする説が有力です。つまり、ever は冒頭で述べた通り、入試では「今までに」と訳せばよいのですが、厳密には「一度でも」というニュアンスです。なので、How often [ many times ]と同時に使ってしまうと、「あなたは一度でも何度~したことがありますか」という変な質問になってしまうということです。
【 前提知識その2・・・超重要熟語 】
以下は、現在完了形を使った入試頻出の超重要熟語です。
◆have been in ~ = ①ずっと~にいる(継続)、②~にいたことがある(経験)
◆have been to ~ = ①~へ行ったことがある(経験)、②~へ行って来たところだ(完了)
◆have gone to ~ = ~へ行ってしまった(結果)
重要なポイントは、have gone to には「行ったことがある」という意味は無いということです。なので、「行ったことがある」とか「行ったことがない」というときは、gone ではなく been を使用しなければいけません。これは入試頻出の知識です。
I have gone been to Paris before.
(私は以前パリへ行ったことがある。)
【 前提知識その3・・・「外国へ」 】
彼は昨日ここへ来た。
He came to here. …×
He came here. …○
彼女はそこに住んでいる。
She lives in there. …×
She lives there. …○
つまり、here や there は副詞として直前の前置詞を飲み込んでしまうのが基本的な使い方です。
abroad [ overseas ] (外国へ[に、で])も、here や there と同じ使い方をします。つまり、
私は外国へ行きたい。
I want to go to abroad [ overseas ]. …×
I want to go abroad [ overseas ]. …○
【 正解 】
従って、正解は次のようになります。
How often [ many times ] have you been abroad [ overseas ] ?
いかがでしたか。今回も入試頻出の重要文法事項が盛りだくさんの良問でした。しっかり復習して頭に入れちゃってくださいね。