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文法正誤問題にチャレンジしてみよう!

文法正誤問題は苦手な受験生が多く、正答率も低いです。テキトーな感覚に頼った勉強ばかりしていると歯が立たず、正確な文法の知識が求められるためです。しかし、入試に出題されるものはかなり決まっていて、それを事前に知っているかどうかも重要なんです。

【 設問 】

次の各英文が文法的に正しければ〇を、間違っていれば×を( )内に入れなさい。

 

(1) Look at that her house over there. (   )

(2) What music are you listening now ? (   )

(3) He was enough kind to help me. (   )

(4) It's foolish for you to do such a thing. (   )

(5) I'm looking forward to meet you. (   )

(6) I've visited London when I was young. (   )

文法正誤問題に悩む中学生のイラスト

【 (1)の解説 】

(1) Look at that her house over there. (   )

中1レベルの基本的な知識を問う問題です。

 

「私の友人の一人」を英語に直すときは、

 

a my friend …×

 

というように、冠詞の a(n) と所有格(my など)は同時に使用できません。なので、

 

a friend of mine …〇

 

という形にします。

 

この冠詞の a(n) と同じような言葉としては他に、this, that, these, those があります。なので「彼女のあの家」は、

 

that her house …×

that house of hers …〇

 

となります。

【 (2)の解説 】

(2) What music are you listening now ? (   )

これも中1レベルの基本的な問題です。

 

You are listening to rock music now.

(今あなたはロック音楽を聞いている。)

 

上記のように、listen の後ろに to が必要なことはわかるでしょう。この文を疑問文にすると、

 

Are you listening to rock music now ?

 

となり、下線部の rock music を what music にかえて文頭に出すと、

 

What music are you listening to now ? …〇

What music are you listening now ? …×

 (あなたは今どんな音楽を聞いているのですか。)

 

となります。

 

what は前置詞はき出し型の疑問詞なので、to はそのまま元の場所に残さないといけません(「無料基本編」の第5講参照)。

【 (3)の解説 】

(3) He was enough kind to help me. (   )

入試頻出問題です。ぶっちゃけ言いますと、文法正誤問題の選択肢に enough の入った文があったらすぐに間違いだと推測してよいくらいです。

 

1⃣ 形容詞の enough(十分な)について

 

十分なお金

 

enough money …〇

money enough …〇

 

2⃣ 副詞のenough(十分(に))について

 

十分(に)親切

 

enough kind …× 

kind enough …〇

 

なので、設問文は、

 

He was kind enough to help me.(「彼は私を手伝うのに十分親切でした。」が直訳→彼は親切にも私を手伝ってくれた。)

 

としなければいけません。

【 (4)の解説 】

(4) It's foolish for you to do such a thing. (   )

これもよく出題されるパターンです。

 

It's easy for him to answer the question.

(彼がその問題に答えることは簡単だ。)

 

上記はおなじみの It ~( for +人 ) to …構文ですね。ところが、

 

It's foolish for you to do such a thing. …× 

It's foolish of you to do such a thing. …〇

(そんなことをするなんて君はバカだ。)

 

というように、下線部に「人」の性質を表す形容詞(kind, foolish, careless, rude など)が置かれたときは、for ではなく of を使います。 

【 (5)の解説 】

(5) I'm looking forward to meet you. (   )

これも入試頻出問題です。

 

look forward to ~ = ~を楽しみにする

 

ポイントは、この to は不定詞の to ではなく、前置詞です。なので、後ろに動詞の原形を置いてはいけません。名詞・代名詞・動名詞のいずれかを置かなければいけません。したがって、

 

I'm looking forward to meet you. …×

I'm looking forward to meeting you. …〇

(私はあなたに会うことを楽しみにしています。)

 

となります。

【 (6)の解説 】

(6) I've visited London when I was young. (   )

これも入試頻出問題です。文法正誤問題の選択肢に現在完了形の文があったら、まず間違いだと推定してよいくらいです。

 

現在完了形は、過去から現在までの一連の出来事について、とくに現在の状態に重きを置いて述べる表現なので、過去の一時点を表す言葉(yesterday, last, ago, whenなど)は使用できません。なので、

 

I've visited London when I was young. …×

I visited London when I was young. …〇

(私は若いころロンドンを訪れた。)

 

となります。 

 

【 正解 】

(1)× (2)× (3)× (4)× (5)× (6)× 

 

いかがでしたでしょうか。全問正解できなかった人は、別に落ち込む必要はありませんが、そろそろ自分の勉強のやり方を見直すためのよい機会にしてください。